三浦徹「地域研究と比較史：イスラームの都市社会」（講演原稿とスライド）
このような比較の方法を、イスラーム地域研究に応用したのが、この図になります。これは2008年のマレーシアでのIAS国際会議のときにつかったスライドで、このため英語になっていますが、いいたいことは簡単で、ある現象Yがおきる原因がXかどうかは、その地域Aの研究をするだけでは十分ではなく、同様の現象Yが起きている別の地域Cを調べ、もしも別の原因Zがみつかったとすれば、XがYの真の原因とはいいきれないことになります。複数の地域の比較をしないと真の原因はみつからない、ということです。（たとえば、昨今、テロリズムの原因は、イスラームの教義にあるように思われていますが、テロリズムは、歴史上、さまざまな地域にみられたわけで、テロリズムをおこす、より根底的な原因があり、わたしたちがそれをみつけださないとテロリズムは終わらないのです。
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（2016年4月16日更新）
