三浦徹「地域研究と比較史:イスラームの都市社会」(講演原稿とスライド)

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えらく風呂敷を広げてしまったわけですが、かつてイスラーム地域研究のプログラムのなかで、私自身が試みた研究として、中国・東南アジア・中東を比較する研究会があります。これは、中国史の岸本美緒さん、東南アジアの文化人類学の関本照夫さんと3人が幹事になって99年から3年間つづけたもので、2004年に『比較史のアジア』という書物を出版しました。そこでは、「所有、契約、市場、公正」というテーマを立てて、地域間の比較をおこなったのですが、これらは、どこの地域や時代にも共通する社会の基本となる要素でありながら、その組み合わせ方(編成)の違いによって、地域や時代の個性・特徴ができあがってくることがわかりました。このような探求型の比較を「原理的比較」と呼びました。
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