三浦徹「地域研究と比較史:イスラームの都市社会」(講演原稿とスライド)

スライド21

マドラサやモスクといったイスラームの宗教施設は、ワクフという寄進の制度によって、建設されていました。日本の寺社やヨーロッパの教会の建立と似ていますが、君主や軍人といった裕福な人びとが、宗教施設を建設し、同時に、その維持・運営をするために、農地や商店や家屋といった不動産、つまり経済施設を寄付するという仕組みで、これらの経済施設は農民や商人が賃貸借し、その賃貸料が、宗教施設や福祉のために使用され、寄進をした人やその子孫にも配分されました。じつにうまくできたシステムです。

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