ワークショップ「第2回 Japonya’da Sohbet-i Osmaniye」(2015/3/25)

NIHUプログラム・イスラーム地域研究東洋文庫拠点は、科研費基盤(B)「17~19世紀オスマン帝国における近代社会の形成」(研究代表者:秋葉)と共催で、ワークショップ「第2回Japonya’da Sohbet-i Osmaniye」を下記の要領で開催しました。

【日時】:2015 年3月25日(水)16:00~18:00
【場所】:千葉大学文学部棟2階演習室25
【プログラム】
司会 秋葉淳(千葉大学文学部)
講師 Baki Tezcan(カリフォルニア大学デイヴィス校准教授)
報告

  1. 川本智史(日本学術振興会) “A Study on the Formation of the Early Ottoman Palaces”
  2. 岩本佳子(大阪市立大学都市文化研究センター) “A Study on Nomads in the Pre-Modern Ottoman Empire: Yörüks in Rumeli, Descendants of the Conquerors, and the Turkish and Kurdish Nomads”
  3. 守田まどか(東京大学大学院) “Between ‘Community’s Peace’ and Public Order: Neighborhoods and Urban Administration in Istanbul (1730–54)”

【概要】

2015年3月25日、千葉大学西千葉キャンパスにバーキー・テズジャン氏を講師としてお招きして、ワークショップ、第2回 Japonya’da Sohbet-i Osmaniye が開催された。このワークショップの名称は、ハーヴァード大学でジェマル・カファダル教授を中心に行われている “Sohbet-i Osmani” という研究会の名称を借用したものであり、2009年にカファダル教授とギュルル・ネジプオール教授が来日された際に、日本の若手研究者と両教授との意見交換の場として初めて開かれた。この度テズジャン氏を招聘したのを機に、氏とオスマン史研究上の諸問題について意見を交換する機会を設定したいと考え、第2回を企画するに至った。今回は、川本智史氏、岩本佳子氏、守川まどか氏に報告をお願いし、各報告に対してテズジャン氏がコメントするという形式で進められた。報告者・司会を含めて8名の参加があった。なお、報告と議論は、英語(一部トルコ語)で行われた。

最初の報告者は川本氏で、彼は、昨年度提出した博士論文の内容をベースに、オスマン朝の宮殿建築の歴史上、エディルネ旧宮殿の画期的な重要性や、イスタンブル旧宮殿の機能などについて論じた。

第二の報告者、岩本氏は、今年度受理された博士論文の概要を述べた。その中心は、ルメリのユリュクと言われる集団が、17世紀末に「征服者の子孫たち」という名で再編・統一されて免税特権と引き換えに軍事義務を負わされるようになった点である。

三番目の報告者である守田氏は、18世紀前半のイスタンブルの街区(マハッレ)の機能に関する博士論文の構想を発表した。氏は、マフムト1世による治安維持強化政策の重要性を指摘した後、街区による移住者や好ましくない人物の管理・包摂・排除などについて論じた。

最後に、秋葉が、18世紀から19世紀半ばにかけてのカーディー制度に関する著書の執筆構想の概略を説明した。

各報告に対して、テズジャン氏が質問・コメントを述べ、応答や討論が行われた。川本報告に対してはブルサの宮廷などについて、岩本報告にはルメリのユリュクの人口減などについて、守田報告にはムスリム・非ムスリム混住街区の場合などについて、質疑応答が行われた。

どの報告もオリジナリティのある研究であり、テズジャン氏も大いに関心を抱いたようである。こういった研究は早く外国語で刊行するべきであり、三人の報告者には今後の活躍に期待したい。

(秋葉淳)

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