ダマスカスにおける資料調査・収集
[期間]
2010年8月20日(金)~9月4日(土)
[国名]
シリア・アラブ共和国
[出張者]
柳谷あゆみ(人間文化研究機構 / 東洋文庫)
[概要]
本出張では、フランス近東研究所(IFPO)にてアラビア語史資料収集・調査を行い、またダマスカス市内書店等で資料の収集を進めた。
出張期間はラマダーン(断食月)と重なったため、フランス近東研究所図書館を始め、銀行など国内機関の多くが短縮業務時間を採用していた。レバノン系のBank Audi等はラマダーン期間中も15時半まで業務を行っているので換金に大きな問題はないが、同行に口座を持っていない場合は換金額の3%が手数料として差し引かれる。また、毎年開催の国際ブックフェアはラマダーンを避けて日程を組むので(今年は7月28日から8月8日まで開催された。なお、ラマダーンは8月11日から9月11日まで)ここ数年は開催時期が不定期となっている。本出張で新刊収集は主眼ではなかったので、ブックフェアを予定からはずしたが、国際ブックフェア訪問を目的とする場合、事前に開催時期を確認しておく必要がある。
本出張ではフランス近東研究所にて、資料読解・調査を進めたほか、ダマスカス市内の書店にて昨年50巻を一括収集したイラクの史学・考古学雑誌『Sumer』の続刊を購入し、同じく史学雑誌『Mawrid』や『Maskūkāt』の続刊も補充した。加えてMuḥammad Kurd ʻAlīによる新聞『Muqtabas』やイラクで発行されたシリア語・アラビア語雑誌『Majmaʻ al-Suriyāni』など終刊した逐次刊行物資料も購入した。
これらの収集資料については、追って当資料室DB及び東洋文庫書誌DBにて書誌情報が公開されるのでご参照いただきたい。
また、滞在中にベイルートの東洋学研究所(Orient Institut in Beirut)研究員、シュテファン・クノスト氏(東洋文庫拠点研究分担者)に会い連絡事項の確認を行ったほか、同研究所にて出版しているṢafadī, al-Wāfī bi-al-wafāyātの新刊及び東洋文庫未所蔵分を購入した。同書は本年30巻まで刊行され、未刊行分はインデックスを残すばかりとなった。東洋学研究所出版物は、過去刊行分の再刊が続いており、入手が容易になったとの由。
以上が今回出張の概要である。
(2010年9月10日更新)