ウズベキスタン共和国における資料調査及び資料収集

[期間]
2008年8月22日(金)~9月5日(土)
[国名]
ウズベキスタン共和国
[出張者]
磯貝健一(東洋文庫)
[概要]
今回、報告者は京都外国語大学教授堀川徹を団長とする、ウズベキスタン共和国内に所蔵されるイスラーム法廷文書調査グループの一員として、同国に出張を行った。同国内での訪問先はタシュケント市の国立科学アカデミー東洋学研究所、および、ブハラ市の国立王宮博物館の二ヶ所である。

まず最初の訪問先として、8月24、25の両日にブハラの国立王宮博物館を訪れた。同博物館との間では、既に二年前に法廷文書の共同研究契約を締結しており、本契約に基づいて同博物館が過去一年間に収集した法廷文書約100点、および、写本1点のテキストをデジタル・カメラにより撮影し、画像データとして保存した。現地で見た限り、この約100点の文書群は、売買等の契約を扱う証書、および、若干の裁判関連文書―ファトワー文書等―から成り立っているようである。一方、写本であるが、現地で見た限り、結婚や離婚に関係する事案を主に取り扱ったファトワー文書の実例集という印象を受けた。

8月26日には、タシュケント市の国立科学アカデミー東洋学研究所を訪問し、来年度の開催が予定されている、「イスラーム地域研究」と同研究所共催の学会の日程、および、その具体的内容につき話し合う機会をもった。
ついで調査団本体は8月27日から29日までフェルガナ市の州立郷土博物館を訪問したが、報告者は自身の体調不良により、残念ながらこの出張には参加できなかった。

このあと、8月31日から9月2日にかけてヒヴァ市の国立イチャン・カラ博物館を訪問する予定であったが、諸般の事情により本出張は遂行不可能となり、我々はタシュケントでの滞在を余儀なくされた。このため、同博物館研究員で本調査プロジェクトのメンバーでもあるカミルジャーン・フダイベルガーノフ氏に、今年度撮影予定の同博物館所蔵文書をタシュケント市まで持参してもらうことになった。結局、9月3、4の両日、上記東洋学研究所内にてこれらの文書をデジタル・カメラにより撮影し、画像データとして保存することができた。今回撮影したイチャン・カラ博物館所蔵の文書群は約100点で、現地で見た限り、主に公的通信文や私的書簡から成り立っているようである。
以上が今回の出張内容である。

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