資料収集及び国際学会(CIEPO:Comite International d’Etudes Pre-Ottomanes et Ottomanes)参加

[期間]
2008年8月11日(月)~9月11日(木)
[国名]
トルコ共和国 クロアチア共和国
[出張者]
澤井一彰(東京大学グローバルCOE共生のための国際哲学教育研究センター)
[概要]
報告者は、トルコ共和国のイスタンブルにある各種文書館、図書館についての詳しい調査を行うとともに、クロアチア共和国のザグレブで開催された学会に参加し研究報告を行った。

今年はザグレブ大学が開催地となったCIEPO(前オスマン期およびオスマン朝研究国際学会)は、8月25日から5日間にわたって行われた。報告者は25日の午後のセッションにおいて、16.y.y.’ın İkinci Yarısında İstanbul’da Nüfus Artış ve Tedbileri(「16世紀後半のイスタンブルにおける人口増加とその対応策」)と題する研究報告を行った。同じ時代を対象とするセッションが平行して行われていたにもかかわらず、約25名の聴衆があり、質疑応答でも3,4の質問やコメントが寄せられるなど多くの収穫を得ることができた。

学会終了後は、アドリア海沿岸部に移動し、各地の文書館を訪れて史料状況の調査を行った。同時にザダル、スプリット、コルチュラでは、かつてヴェネツィアの港湾施設群を実見することができた。ドゥブロヴニクでは、数日間にわたってクロアチア文学についての国際学会が開催されていたため文書館は閉鎖されていた。その後は陸路でボスニア・ヘルツェゴヴィナに入り、モスタルの文書館を調査した。さらに首都サライェヴォから空路イスタンブルに戻った。

イスタンブルでは、総理府オスマン文書館をはじめ、スュレイマニイェ図書館、イスタンブル・ムフティー局、イスラーム研究センター(İSAM)など多数の研究施設において、一般の研究者の利便性向上のために、研究許可の必要の有無、研究申請の方法、開館状況などを詳しく調査した。残念ながらアタテュルク図書館とトプカプ宮殿博物館図書館は工事のため閉館中であったが、それ以外のイスタンブルに存在する主要な文書館、図書館については上記のような調査を行った。以上が調査の概要である。

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