シリアにおける資料収集および調査

IFPO
[期間]
2007年8月24日(金)~2007年9月3日(日)
[国名]
シリア・アラブ共和国
[出張者]
柳谷あゆみ(人間文化研究機構/東洋文庫)
[概要]
本出張ではダマスカスの研究機関・書店を訪問し、資料調査及び資料収集を行った。
フランス近東研究所(IFPO)図書室(写真)では、今回は逐次刊行物を中心に、担当司書へのレビュー及び資料調査を行った。国立アサド図書館写本室は、今春、改修工事のため閉室と側聞していたが、今回出張時には改修を終え再開していた。

今回の資料収集は、東洋文庫所蔵の逐次刊行物の補完を目的の一としており、第23回ダマスカス国際ブックフェア(2007年8月2日~8月11日)を外してしまったのが悔やまれるものの、予定の資料は収集することが出来た。
なお、ダマスカス国際ブックフェアは例年9月半ばに開催されているが、ラマダーン月が重なるようになったため(今年のラマダーンは9月13日頃開始)、昨年からは前倒しぎみの日程となっている(昨年は7月下旬開催。国立アサド図書館サイトにて概容を確認できる)。

逐次刊行物は、al-Muʾarrikh al-ʻArabī(東洋文庫における請求記号XVIII/Eb4/37)について所蔵分以降の追加を行ったほか、創刊号から47号まで所蔵のal-Karmil(マフムード・ダルウィーシュが発行。東洋文庫における請求記号はXVIII/Eb4/47)についても、48号以降の追加を行った(不足分がまだあるため、これら資料の到着は2007年末を予定している)。イラクのムスタンスィリーヤ大学の研究紀要を新規購入した。 また、ダマスカス市内書店数店にて、文学、史学を中心にアラビア語書籍を約150冊収集した。

ベイルートやヨルダンに向かう長距離タクシー乗場がバラーミケからメッゼ地区に移転したこともあり、わずか半年の間に街がずいぶん様変わりしていたことに驚いた。前回出張(2006年12月)ではダマスカスではイラクの出版物の入手が比較的容易という印象を受けたが、この半年間にイラクからの運搬やシリア国内への持込が格段に難しくなったとの由、厳しい入手状況と物価上昇を反映して資料の価格もやや上昇した。
収集資料データについては今後イスラーム地域研究資料室サイトにて随時公開していくので、ご参照いただきたい。

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