ブルガリア共和国の文書館・資料館

調査:長谷部圭彦 ※調査期間(2013年2月)現在のデータであることをご了承ください。

ドゥブロヴニク国立文書館

機関名 kirilimetodij2Naroda Biblioteka Kiril i Metodij ブルガリア国立図書館(キリル・メトディ図書館)
所在地・アクセス 88 Vasil Levski Blvd., Sofia 1037(アレクサンダル・ネフスキー寺院の東、市の中心部から徒歩圏内。
地下鉄Sofijski Universitet駅下車、徒歩1分
地下鉄Serdika駅下車、徒歩10分
電話・FAX, URL Tel : +359 2 91 83
Fax:+359 2 843 54 95
URL:http://www.nationallibrary.bg/
開館時間 平日: 8:30~18:00 土曜日: 9:00~15:00(東洋部門)
休館日 日曜日
館長・受付担当者  Prof. Boryana Hristova(東洋部門)
図書館概要 ブルガリアの首都ソフィアにある図書館・文書館。東洋部門には、イスラーム地域の写本や刊行史料だけでなく、オスマン帝国の帳簿や文書が大量に所蔵されている。
資料概要 「古紙」としてトルコからブルガリアに流出した文書群が、難を逃れて同館に収蔵されることになったという逸話をもつ。所蔵資料のいくつかは、ネット上のデジタル・ライブラリーでも公開されている。 URL:http://www.nationallibrary.bg/cgi-bin/e-cms/vis/vis.pl?s=001&p=0038&n=&vis=
利用方法・利用許可申請 所属機関による推薦状、英文などの身分証明書、パスポートを持参すること。また、上述のデジタル・ライブラリーですでに公開されていないか、来館前にあらかじめ確認されたい。
初めて入館したら、入ってすぐ正面の受付で利用証を作成する。1ヶ月用で10Lv。入って左側のクロークで荷物やコートを預ける際にkontrolen listをもらうので、そこに、クロークの札の番号、氏名、利用証に記されているceriyaとno.を記入する。このkontrolen listは、退館の際に、閲覧室で印を押してもらったうえで出口の係員に提出する。ただし、昼食などで一時外出するときは、その必要はない。
東洋部門は、クロークと反対側の階段を上がった二階にある。階段を上がってすぐ右側にある廊下の突き当たりが閲覧室で、文書等はこの部屋でのみ閲覧を許される。閲覧室は全14席。他にマイクロリーダー3台、パソコン3台が置かれているが、とくにマイクロリーダーは旧式で、画面も見づらく、紙焼きもできない。
閲覧室の奥にカード棚があるので、刊行史料や研究文献はそれを見て請求する。一日に五点まで請求可能。文書史料のうち、カタログが作成されているものについては、そのカタログがカード棚の下の戸棚に収納されているので、それを見て請求する。ただし、カタログは手書きのブルガリア語である。後述の諸分類のうち、帳簿分類(Defter Fonu)は、そもそもカードがトルコ語で作成され、それをまとめたものも刊行されている(Bulgaristan’daki Osmanlı Evrakı, Ankara, 1994, pp.45-99)。ただし、帳簿分類にのみ帳簿(defter)が収蔵されているわけではまったくない。なお、アラビア語の文献については、カタログが別に刊行されている(Opis na dokumentite na arabski ezik, zapazeni v Orientalskiya otdel na Narodnata biblioteka “Kiril i Metodij” v Sofiya XIII-XXv, Sofiya, 1984)。
同館の分類方式は、独特に複雑である。詳しくは前掲Bulgaristan’daki Osmanlı Evrakıを参照されたいが、ここではそれを補足しておく。同書に記されている大分類は、Belge Fonu, Defter Fonu, OAK Fonu, NPTA Fonuの四つである。Belge Fonuのカタログは6冊で、下位分類は地域ごとになされている。たとえばイスタンブル(ツァーリグラード)には1、ブルガリアのルセ(ルスチュク)には112の数字が充てられている。請求記号はF。Defter Fonuは、上述のとおりトルコ語のカタログが刊行されているので検索は容易である。請求記号はD。OAK (Oryantal Arşiv Koleksiyonu) Fonuのカタログは2冊で、請求記号はOAK。NPTA (Novopridobiti Turski Archivi) Fonuのカタログは作成されていない。前掲Bulgaristan’daki Osmanlı Evrakıには、ブルガリア語のカードがあると記されているが、2013年2月現在、閲覧者には公開
れていない。ただし、先行研究に基づいて請求すると、史料自体は閲覧可能である。請求記号はNPTA。
以上の四分類以外にも、いくつかの分類が存在する。その一つは、シャリーア法廷のSicill Defteriを集めたSicill Fonuで、カードでの検索が可能である。請求記号はRおよびS。また、同館の文書庫には、かなり以前から、Ön Fonuという名称で、他の文書とは別に置かれた文書群が存在したが、未整理のままであった。しかし近年、Margarita Dobreva氏による整理が部分的に行われ、カタログは作成されていないものの、下位分類Vd(Vidin)については、同氏による暫定的なリストを閲覧室のパソコンで見ることができる。また、他の下位分類(Vn:Varna, Rs:Ruse, Sf:Sofiaなど)についても、同氏の研究などに基づいて請求・閲覧することが可能である。請求記号はVdなど。
同館には、数名、英語でも対応してくれる司書が勤務している。また、東洋部門のZorka Ivanova氏は、トルコ語でも対応してくれるので、とくにオスマン史研究者にとっては非常に心強い。
複写  司書の許可が必要。依頼する場合は1コマ3Lv、自分のデジカメで撮影する場合は1コマ2Lv。支払いは一階の会計室で行う。撮影後、その電子データを同館に寄贈するよう求められることもある。史料ではなく一般的な書籍や雑誌の場合は(ただし、あまりに古いものは史料扱い)、一階の複写室(コニカ・ミノルタの看板が目印、会計室の隣)に自分で依頼し、その場で支払うが(A4一枚0.1Lv)、その前にkontrolen listに司書の署名を記入してもらう必要がある。
休憩所  一階に自動販売機が、地下にカフェがある。食堂はない。なお、図書館周辺に限らず、ソフィア全体に言えることだが、外食産業はあまり盛んではない。

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