東南アジアのキターブ目録勉強会(2009/1/27)
東洋文庫拠点・上智大学アジア文化研究所拠点グループ2「東南アジア・イスラームの展開」共催
■東南アジアのキターブ目録勉強会
第2回勉強会
[日時] 2009年1月27日(火) 11:00-16:00
[場所] 上智大学四ツ谷キャンパス2号館630a会議室
[出席者] 新井和広、Oman Fathurahman, 川島緑、茂木明石、Ervan Nurtawab, 菅原由美、柳谷あゆみ
[概要]
インドネシア・イスラーム文献学の専門家、Oman Fathurahman氏、Ervan Nurtawab氏を迎えて、キターブ収集と目録作成の意義や問題点について意見交換を行ない、今後の活動について打ち合わせを行なった。
Fathrahman氏は、インドネシアではプサントレンをはじめとする伝統的イスラーム教育機関ではキターブ・クニン(黄色のキターブ)、近代的イスラーム教育機関ではキターブ・プティ(白いキターブ)が今日に至るまで教科書として使用され続けており、これらのキターブを収集しカタログ化することは、インドネシアにおけるイスラーム知識の伝達を理解するために重要であることを指摘した。その上で、何らかの理論的基盤にもとづいて、より体系的、戦略的に収集を行なう必要性を強調した。具体的には大都市のキターブ専門店のみならず、小さな町のプサントレンでも収集すること、および、主要な地域をバランスよくカバーすることが望ましい。また、東南アジアで使用されているキターブは、アラビア語のものとインドネシア語などの現地語のものがあるが、特色あるカタログとするために現地語キターブの収集・目録化を優先することを提案した。
この提案に基づいて意見交換を行い、首都などの大都市、地方都市(ジャワ島、ジャワ以外)、農村部のプサントレンや町、などいくつかのレベルを設定し、より戦略的、計画的に収集活動を行なう必要性を確認した。プサントレンでの収集は、インドネシア側研究者に依頼して行なう方向で調整することになった。
その他、翻字方法など、目録作成作業に伴う具体的な問題点を出し合い、解決策を話し合った。
著者標目形に関しては、米国議会図書館、大英図書館、ライプツィヒ大学データベースを順に参考にして入力することになった。
文責 新井和広・川島緑
(2009年1月31日更新)