第5回オスマン文書セミナーのご案内

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東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)では、基幹研究「中東・イスラーム圏における人間移動と多元的社会編成」(代表 黒木英充)の事業の一環として、2012年12月22日(土)と23日(日)に第5回オスマン文書セミナーを開催します。研究上、オスマン朝下で作成されたさまざまな手書きの文書や帳簿を読む必要のある方を中心に、ひろくイスラーム史を研究される方のご参加をお待ちしております。ただしオスマン・トルコ語の授業を行う場では決してありませんのでご注意ください。また、本セミナーはNIHUプログラム・イスラーム地域研究東洋文庫拠点との共催となります。

今年度は、講師に我が国におけるカーディー研究の第一人者である千葉大学の秋葉先生をお迎えし、昨年度と同じくオスマン朝の法廷記録簿とカーディー関係の文書をとりあげます。今回もこれまでと同様、事前にお配りしたコピーを用いて具体的な実例を演習形式で読解していきますが、従来とは若干趣向を変え、講読の最初から手書き文書の現物に取り組むのではなく、第1日目の導入に、法廷記録簿の様式や用語に慣れるための手がかりとして「法廷関係文書書式集(sak mecmuaları)」をとりあげます。「法廷関係文書書式集」の概要を説明した後、第2日目で講読する婚姻や和解(スルフ)に関する証書の文例を、「法廷関係文書書式集」の刊本から選んで購読し、手書き文字読解への橋渡しをいたします。つづいて18世紀後半を中心にカーディー制度、法廷台帳の特徴を概説した後、制度理解の手がかりとして、任命等に関するカーディーへの下達文書であるミュラーセレ(mürasele)の実例を講読する予定です。
第2日目は、婚姻関係、和解(スルフ)、殺人といった一定のトピックをとりあげ、法廷記録簿の実例を講読します。さらに法廷記録簿に記録されたカーディーの上申文書であるイーラーム(ilam)も講読する予定です。イーラームは、昨年カーディーから中央政府に提出された文書の正本を講読しましたが、今回は正本ではなく、法廷記録簿の中のテキストをとりあげます。

なおセミナーへの参加資格として、例年通り次の1.または2.のいずれかにあてはまることを条件といたします。
1.「現代トルコ語の読解力があり、かつアラビア文字に関する知識を有する」
2.「ペルシア語あるいはアラビア語の読解力があり、かつ現代トルコ語文法の知識を有する」

参加を希望される方は、お名前、ご所属、連絡先住所・電話番号、メールアドレス、専門分野、セミナー参加可能日程を明記の上(部分参加も可)、下記の申込先まで12月7(金)までにEメールにてご連絡ください。こちらから、セミナーで用いる資料を郵送いたします。なお参加費は無料です。
また、東京近郊以外に在住の方には旅費の支出も検討しておりますが、予算の都合上、旅費支給を希望される方は、なるべく早くその旨お知らせください。

問合わせ・申込先:
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 フィールドサイエンス研究企画センター事務局
e-mail: fsc_office@aa.tufs.ac.jp (@は半角)

プログラム等の詳細は以下の通りです。

基幹研究「中東・イスラーム圏における人間移動と多元的社会編成」
第5回オスマン文書セミナー
◇主催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
◇共催:NIHUプログラム・イスラーム地域研究東洋文庫拠点
◇期間:2012年12月22日(土)~23日(日)

◇会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
3階大会議室(303号室)
(〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1)
http://www.tufs.ac.jp/access/
http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/about/access

◇講師  秋葉淳 (千葉大学大学文学部准教授)
髙松洋一(AA研)

◇プログラム
12月22日(土)
14:00-14:15 趣旨説明 講師紹介
14:20-16:00解説・講読I:「法廷関係文書書式集(sak mecmuaları)」(髙松洋一)
16:20-18:00解説「18世紀の制度、法廷台帳の特徴」、講読II :「mürasele」(秋葉淳)

12月23日(日)
10:30-12:10 講読 III :「法廷記録簿・婚姻関係」(秋葉淳)
13:00-14:40 講読 IV:「法廷記録簿・スルフと殺人」(秋葉淳)
15:00-16:40 講読 V :「法廷記録簿のilam」(髙松洋一)
17:00-18:00 総合討論

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